木村佐江子さんは幕別町のご出身。沼田町で農家を営む家族の息子さんと結婚し、5年ほど前にこのまちへと移住してきました。今は29歳(2017年11月取材時)という若さで娘さんと息子さんを育て、お子さんたちを「沼田認定こども園」に預けながらパートとして働いています。子育てと仕事の両立について、沼田町の暮らしぶりについて、ご趣味について根掘り葉掘り聞いちゃいました。

「農家の嫁」だけど、
マチにパートに出る理由。

Q.ご主人とは沼田町で出会ったんですか?
木村さん:いえいえ。私は帯広のカーディーラーで事務職として働いていて、主人は同期入社だったんです。
Q.ということはご結婚と同時に移住を?
木村さん:実は結婚が決まった時、彼は家業を継ごうと思っていなかったみたいです。ウチの農場は稲作が中心なんですが、イネ科のアレルギーを持っているから体質的に難しいと言っていました。なので、しばらくは地元の幕別に暮らしていたんです。
Q.それがどうして心変わりしたんですか?
木村さん:娘が生まれてすぐくらいのころに、「やっぱり農家を継ごうと思う」と。両親の代で家業を絶やすのは心苦しいと打ち明けられました。
Q.佐江子さんはどんな反応をしたんですか?
木村さん:薄々そんな気はしていたので、ああ、そう、みたいな(笑)。ちなみに、主人のアレルギーはどうにか克服できたんですよ。
Q.では、佐江子さんも農作業のお手伝いをしているんですね。
木村さん:それがほとんどしていません。農作業に自信がないと最初から言っておきましたし、ウチは法人農家なので家族総出というスタイルでもないんです。義父母も「沼田町に来てくれただけで十分ありがたい」と私の気持ちを理解してくれています。精米や花きの栽培を手伝うこともありますが、農家の嫁と言えるほどではないですね。
Q.農作業は苦手なんですか?
木村さん:そういうわけでもないんです。農場に行けば仕事はあるんですが、大した戦力にもならないのにお給料をいただくのは義父母に悪い気がして。だから、町場のパートを選んでいるんです。

地元の友人からすると
「うらやましー」子育て支援。

Q.二人目のお子さんは沼田町で授かったんですか?
木村さん:はい、そうです。まちには産婦人科はありませんが、隣町の深川市の病院はクルマで30分くらいなので負担はあまりかからなかったです。もしかしたらすごい都会に住んでる人が近くの病院に行くよりも近いのかもですね。妊婦検診費用や交通費も町から助成いただけるのは助かりました。
Q.子育て中でも地元に戻る時間ってありますか?
木村さん:子どもたちの顔を見せに実家に帰ることもありますよ。同年代の地元の友人と話していると、二人目からはこども園の保育料が無料になるとか、予防接種の費用がほとんどかからないとか、子育て支援の制度をかなりうらやましがられるんです(笑)。
Q.こども園の様子はどうですか?
木村さん:施設も新しいですし、小さい子から大きい子まで賑やかに遊んでいるイメージ。お迎えに行ったら、子どもから「え〜早すぎ」と言われちゃうこともあるくらい楽しいみたいです…母としては寂しいけれど(苦笑)。
Q.だけど、遊園地とかほしいと思ったりしません?
木村さん:正直、思います。でも、すべてを沼田町で完結させようと考えなければ良いんじゃないかなって。わが家では月に一度は旭川市に行って、洋服を買ったり、旭山動物園を見学したり、都会の遊びを楽しむようにしているんです。クルマだったら札幌にも近いですから、立地はイメージするよりも良いと感じます。

「夜高あんどん祭り」の後は、
子どもたちが「ヨイヤサ」状態!?

Q.ところで、今のお仕事は?
木村さん:町の臨時職員として雪中しいたけの栽培を手伝っています。大きさによるランク分けとか収穫とかパック詰めがメイン。ママ友もいるので楽しいですし、月に15回くらいの出勤だから子どもが小さくても何とか働けるペースです。
Q.お休みの日はどんなことをしているんですか?
木村さん:う〜ん、う〜ん…。子どものお迎えに行くまでは時間のつぶし方に困っちゃって。そうそう、最近は生涯学習総合センター「ゆめっくる」に通っているかな。図書館が併設されているので、ひたすら本を読んでいます。
Q.沼田町に移住してから感じたことってありますか?
木村さん:「夜高あんどん祭り」に対する熱量がスゴい!6月にもなると主人は仕事から帰って来てご飯を食べるや、毎日のようにあんどんづくりに出かけちゃいますから。こども園でも子どもたちと一緒にあんどんをつくることがありますが、ママ友とは冗談交じりに「この時期は主人がいないからあんどん未亡人だネ」なんて話しています(笑)。
Q.ハハハ(笑)。だけど、お祭りは盛り上がるでしょう?
木村さん:そりゃあもう。今年は私の両親も見にきました。お祭りが終わった後は、子どもたちも「ヨイヤサ、ヨイヤサ」のかけ声をマネして楽しそうにしています。
Q.沼田町暮らしを楽しんでいますね。不安はないですか?
木村さん:今は部屋数の少ない公営住宅に住んでいるので、子どもが大きくなったら住まいをどうしようかって主人と話し合っています。とはいえ、まだまだ先のことですし、小学校の教育も充実していますから近い未来について不安という不安はありません。子育てのことを考えると平和な環境の中で手厚いサポートも受けられるので、沼田町に住んで良かったって心から感じますよ!