臼井晴香さんは生まれも育ちも沼田町。現在は「沼田認定こども園」の栄養士として、子どもたちの元気を生み出す給食をつくっています。キュートな笑顔が印象的な生粋の沼田っ子に、人気メニューや園の雰囲気だけでなく、このまちに暮らし続ける理由などパーソナルな質問もぶつけてみました。

家族と過ごす時間を
できる限り楽しみたくて。

Q.栄養士さんになろうと思ったきっかけは?
臼井さん:私は昔から子どもも料理も大好き。最初は保育士を目指そうとも思いましたが、保育園の栄養士になればどちらにも関われるな~と。欲ばりですよね(笑)。
Q.栄養士免許はどこの学校で取得したんですか?
臼井さん:旭川大学短期大学部生活学科の食物栄養専攻コースです。食や栄養の基礎知識を学びながら、調理実習や給食業務を経験しました。
Q.じゃあ、学生時代は旭川市に住んでいたんですね。
臼井さん:いえいえ、沼田町から通っていました。6時30分くらいの始発に乗って、19時過ぎの終電で帰ってくる毎日です。
Q.え!?それは大変でしたね。
臼井さん:電車に乗っているのは1時間くらいなので、イメージするよりは遠くないんですよ。ただ、運行本数が少ないのがちょっとネック。まぁ、終電を逃したら旭川市の友だちの家に泊まっちゃえみたいな(笑)。
Q.都会の保育園で働こうとは思わなかった?
臼井さん:地元に働き口がなければ都会の園への就職も視野に入れていました。ただ、短大時代の実習先が偶然「認可保育所沼田保育園(こども園の前身施設)」。なるべく地元で働きたいと伝えていたところ、卒業年にタイミング良くここの栄養士の枠が空くと教えてくれたんです。
Q.ラッキーでしたね。ところで、どうして沼田町が良かったんですか?
臼井さん:慣れ親しんだまちを離れたくないというのが大きな理由。あと、沼田町はバレーボールが盛んで、私も小さなころから続けてきました。母や妹もバレーボールが生きがいなので、家族4人と知り合いでチームをつくっています。でも、この先ライフイベントの変化があったりすると、この時間は永遠に続くわけじゃないんだと思って。だから、今はバレーボールを通じた家族のふれ合いを大切にしたいんです。

新メニューの
「レバーの竜田揚げ」が大好評!

Q.「沼田認定こども園」の給食に特徴はありますか?
臼井さん:前身の「認可保育所沼田保育園」時代から、ウチの給食はおいしいと評判だったんです。メニューに際立った特徴はありませんが、お米は沼田町産のものを使い、食材もほとんどが道産。新人のころは味を守るためにレシピを必死に覚えました。
Q.人気メニューは何ですか?
臼井さん:定番ですけど、やっぱりカレーでしょうか。こども園になってからは幼稚園機能部と一緒になったので子どもの数は約80人。カレーの日はおかわりも多いから100食以上つくっています。
Q.栄養士さんも子どもたちと関わるんですか?
臼井さん:もちろん、日々ふれ合っています。食育の一環として年長さんとはお米を研いだり、野菜を切ったり、給食づくりを一緒に楽しむことも。子どもたちも自分たちが携わった料理は格別においしいと無邪気な笑顔を見せてくれるんですよ。
Q.新メニューにチャレンジすることも?
臼井さん:まさに昨日、新しい料理を取り入れました。子どもたちはもちろん、先生方もレバーがあまり好きじゃないようでしたが、あえて他の食材に練り込んだりしない「レバーの竜田揚げ」で勝負に出たんです(笑)。結果ですか?何とおいしかったと大好評!子どもたちも残さず食べてくれました。ポイントは血抜きや血管の取り除きなど丁寧な下処理と、独特の食感や味を和らげる一口大のカットです。
Q.園の雰囲気はどうですか?
臼井さん:給食室には窓があるので、作業しながら子どもの様子が眺められます。他の園で働いたことがないので比較はできませんが、いろんな年代の子どもがノビノビと遊び回り、とにかく元気に過ごしている印象。それに「夜高あんどん祭り」への参加や太鼓の発表会もあって、小さなころから仲間意識が育まれる環境なんです。私たちの年代も男女問わず仲が良いのは、子ども時代から何をするにも一緒だったからなのかも。
Q.何だか楽しそうに働いていますね。
臼井さん:そう見えますか?だったら私もうれしいです。野菜ギライだった子が具だくさんのみそ汁に仕立てると人参や大根を食べてくれたり、保護者の方に「ウチでも給食をマネしたいからレシピを教えて」と言っていただけたり、そんな時は栄養士の道を選んで良かったと思います!