地方公務員という仕事柄、全道各地への転勤が付いて回る紅露智尚さん。沼田町には2015年に赴任の形でやって来ましたが、前任地の都会に比べて暮らしに余裕と楽しみを抱くようになったと言います。その大きな理由がお子さんの成長。二人兄弟の次男は生まれたばかりですが、長男は小学校2年生。一体どのような変化が見られるようになったのか、息子さんが通う「沼田小学校」でインタビューしました。

先生の目が行き届く
「沼田認定こども園」。

Q.さっそくですが、赴任前の沼田町のイメージは?
紅露さん:父が転勤族だったこともあり、子どものころは芦別市や砂川市など中空知を転々としていました。なので、比較的近所の沼田町にも「夜高あんどん祭り」や「ほろしん温泉」を目的に遊びに来たことはあったんです。が、沼田町へ異動と聞いた時は正直なところ生活は不便そうだな〜と(笑)。
Q.実際はどうですか?
紅露さん:想像していた沼田町とは違って買い物に困らないですし、深川市までは約30分、旭川市へも1時間弱なので地理にも恵まれていると思いました。
Q.直近の赴任先はどこだったんですか?
紅露さん:札幌市です。都会は都会で良いところもあるんですが、僕ら家族にはのんびりしていて景色も良い沼田町のほうが過ごしやすいですね。それにさすがは米どころ。白米がおいしくてコッチに来てから太っちゃいました(笑)。
Q.上のお子さんは札幌市では保育園に預けていたんですか?
紅露さん:ウチは幼稚園ですね。都会は定員も多く先生の数もギリギリでしょうから、すべての子どもに目を向けるのは難しそうに見えました。小さなうちは生まれた時期によって発達にも差がありますから、全員の成長を平等に促すというのは無理なのかもしれませんが…。
Q.沼田町での子育て環境はどうでしたか?
紅露さん:引っ越してきてからは「沼田認定こども園」に長男を預けました。僕も不安でしたし、子どもも環境の変化に戸惑っていたんですが、次第に目に力が宿っていくというか、生き生きとした表情が見られるようになってきたんです。少人数の定員に対して先生の数が多いことも原動力でしょうし、子どもたちも純朴で良い子ばかりだからすぐに打ち解けられたみたいです。

同年代とのふれ合いが
向上心と成長を!

Q.じゃあ、小学校に上がっても不安はなかったんですね。
紅露さん:ヨソから引っ越してきた子は、生まれた時から一緒の仲間に入りづらいというケースはよく聞きますよね。だけど、沼田町の子どもたちは誰にでも分け隔てなく接してくれますし、面倒見が良いと思います。それに…。
Q.それに?
紅露さん:実は、長男は小さいころに発達に問題があるんじゃないかと児童相談所に行ったこともあったんです。けれど、沼田町に来てからは落ち着いてご飯を食べられるようになるなど、生活の中で小さな達成を積み重ねています。今は一般学級と特別支援学級の掛け持ちという特殊な状況ですが、同年代の子どもたちは積極的にふれ合ってくれるんです。だからこそ向上心が湧いて、成長にもつながったのだと思います。
Q.沼田町の環境が合っていたということですか?
紅露さん:そうでしょうね。放課後は学童保育に通って上級生や下級生と遊び、手をつないで帰ってくる…子どもは楽しそうに毎日を過ごしています。長男の様子を見ていると、転勤とはいえココに住むことになって本当に良かったです。
Q.次の転勤、しばらくないといいですね。
紅露さん:管轄の変更で一度は町内から町内への「プチ転勤」はあったんですが、子どもが転校してしまうような異動はまだありません。これからもっとお友だちが増えていくことでしょうから、沼田町にいられるだけいさせてあげたいというのが親としての本音。ご近所は知り合いのお父さん、お母さんばかりで治安の面も安心ですから。
Q.今の生活がご家族にフィットしているんですね。
紅露さん:沼田町には足りないモノも一杯あると思いますが、僕は家族とゆったりと過ごせるようになったことが一番だと感じています。気が向けばすぐそこの大自然へとドライブに行ったり、「ほろしん温泉」にゆっく〜り浸かったり、そんな一つひとつの時間が愛おしく、心もグンと満ち足りるようになったんですよね。